•大学の成績評価方法
大学における成績評価方法は講義によって、教授によって様々です。
期末試験一発勝負の科目もあれば、レポート:出席が5:5、みたいな科目もあります。
自分が受ける講義がどのように成績評価を行うのかについては、シラバスの「成績評価」の欄に書かれていますので要チェックです。(ごく稀な例ですが「成績評価は期末試験のみだが、毎回出欠確認をし、4回以上休んだ者は期末試験の受験を認めない」みたいなことをシラバスに書かずに講義の初回で口頭でのみ言う先生もいらっしゃるため要注意です。成績評価方法についてわからない事があれば、初回講義で直接、もしくはメールなどで聞いておくことをおすすめします。冗談抜きで、以降3ヶ月間の生活に関わります)
なお、法学部の専門教養科目はほぼ期末試験一発勝負で成績が決まります。
よって毎回の講義で出席が取られたり、課題が出されることはほとんどありません。(もちろん、例外はあります。)
したがって講義の中で理解できないことも、学期末の試験までに理解すれば問題なく単位がもらえるわけですが、なんだかんだ講義を真面目に聞いて、毎回の講義の後に少しでも復習をしておくことが一番の近道だなと感じる、今日この頃の筆者です。
•法学部の試験の特徴
さて、そんなわけで法学部生として優秀な成績を修めて卒業するためには、否が応でも試験からは逃げられないわけです。
そして正直なところ、法学部の試験は難しいです。合格点(60点以上)を取るためには、きちんとした対策が必要です。
逆に言えば、ちゃんと対策をして効果的な勉強をしていさえすれば、何ら恐れることはありません。
今回は一足先に、そんな法学部の試験を簡単にご紹介します。
特徴① 答案用紙は真っ白
法学部の試験の答案用紙には、解答欄というものがありません。というのも,試験はほとんどが「論述形式」だからです。
答案用紙はA 3裏表で、氏名、学籍番号などを書く欄以外は、延々と羅線だけが続いています。一方の問題用紙はA4印刷で問題文は3行だけ…なんてのもしばしば。(問題文が短い時ほど、答案は長くなる傾向があります)
「ある条文の解釈について説明せよ」「ある学説の問題点について判例を用いて論ぜよ」などなど、科目により、教授により内容は様々ですが、試験の時は非常にたくさん字を書きます。
たまに語句の穴埋め問題などもありますが、むしろその方が珍しいです。因みに穴埋め問題の場合、真っ白な答案用紙に自分で解答欄を作ります。
特徴② 条文は覚えなくていい?
法律の勉強というと、ひたすらに六法全書を読んで、条文を頭に叩き込む…そんなイメージはありませんか?
確かに法律の勉強をする上で、暗記は必須です。
ただその暗記は、単に条文番号と条文の中身を覚えるというものではありません。その条文はどんな事例で用いるのか、解釈にはどんな学説が通説となっているのか、有名判例にはどんなものがありどんな内容か、というように、条文が実際にどのように使われるかを覚えていくのがメインであり、試験でもそこが問われます。
現にほとんどの科目の試験では、ポケット六法が貸与され、試験中は常に条文を調べることができます。
条文を覚えることが全く無意味だとはもちろん言いませんが、条文それ「だけ」を覚えても意味がない、ということですね。
特徴③ 事例問題
法律系科目の試験でよくあるのが「以上の場合における◯◯の罪責を論ぜよ(≒◯◯はどんな罪に問われるか検討せよ)」とか「上記の条件において、◯◯が△△に対して損害賠償請求を行うことは可能か」という問題です。こういう問題は「事例問題」と呼ばれます。
こういう時、学生は問題用紙の事例とにらめっこしながら、自分の頭の中の知識と手元のポケット六法を一生懸命照らし合わせて、対応する条文、学説、判例を探すわけです。
事例問題の解き方は講義で習うと思いますが、非常に大まかにいうと「書かれている事実を条文の要件に照らし合わせる」というものです。
例えば刑法199条「殺人罪」は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と規定していますが、ある事例で、殺害されたのが胎児だった場合、これは「人」を殺したということになるでしょうか。またAを殺害しようとしてAの飲み物に毒を入れたが、良心の呵責からAが飲む寸前に飲み物を取り上げた場合、これはどんな罪になるのでしょうか。
…というように殺人罪ひとつとっても、色んな問題が作れるわけです。
事例問題を解くには、適用条文、学説、判例についての幅広い知識が必要です。なかなか一人で解くのは大変なので、試験前は友人数人で集まって対策したり、教授によっては、講義で扱った問題をメールなどで提出すると添削してくれることもあります。
特徴④ 教授の心を読め
論述問題がほとんどの法学部の試験では、如何に教授が欲しがる要素を答案に盛り込めるかが重要だと思います。
試験というのはあくまで「その講義の内容をどこまで理解しているか」を問うものです。
法律を勉強していると、ひとつの条文、事例について様々な解釈、学説があることに気がつくと思いますが、試験ではどれを書いてもいいわけではありません。講義の中で教授が話していた、もしくはレジュメに書いていた通説や判例をノートに書き留めて、それを基に答案作成の練習をする必要があります。
大学受験の国語の記述問題で「ちゃんと埋めたのに点数があまりつかなかった…」という経験はありませんか?この現象は課題文中の主張、もしくは問題で問われていることをよく理解していないことから起こると言われていますが、法学部の試験でも同じようなものです。
「講義の中から担当教員の主張、意図を正確に読み取る」ことが、高得点への近道だと、少なくとも筆者は考えています。